Satoshi Yashiro "V*"
矢代諭史「V*」展
2022年7月23日(土)〜9月24日(土)
OPEN : 金土2-6PM 祝休
オープニングレセプション
7月23日(土)5-7PM *作家在廊
amalaは2022年7月23日(土)より、矢代諭史「V*」(ヴイ)展を開催いたします。今回の展示では近年、国内外で発表している偶発性や不確定性を起点に展示空間が変容していくインスタレーションを展示します。本展について、矢代は次のように語ります。
「これまで、自律的に動くデバイスや独自に製作した装置などを組み合わせて、音楽的な時間軸を構成するインスタレーションを展開してきました。これらは、物が落ちたり鑑賞者が展示空間に立ち入ったりといった振る舞いをきっかけに、毎回異なるタイミングと展開で様々な装置が音や動き、光を連鎖的に発していくという特性を持っています。
ひとつの事象の結果から次の行為が遂行される、常に異なる再現性が低い一過性の出来事が発生するようになります。これは、自身の活動のベースにある即興的な演奏行為やパフォーマンスにも通じていると感じています。
今回のインスタレーションそのものがソフトウェアのような構造をもっていると気が付きました。また、不確実性を許容した完成という状態を目指さないシステムは、Vaporware(ベーパーウェア*)としての側面も持ち合わせています 」。
*ベーパーウェア
ベーパーウェア (vaporware) とは、概要が発表はされたものの構想段階や開発段階にあり、まだ完成・公開されるかどうかわからないソフトウェアもしくはハードウェアのことである。狭義には、完成・公開されないまま開発中止となったソフトウェア、ハードウェアを指すこともある。vapor とは英語で「蒸気」の意味で、実体のないことを表している。開発が途中で中止されてしまったアプリケーションやオペレーティングシステムは多い。しかしそうしたベーパーウェアは、別のフリーウェアの素材に転用されたり、オープンソースソフトウェアに取り込まれたりと、何らかの形で公開されていることもある。市場競争で競争相手の新製品に注目がいかないように、実態のない状態で牽制のために発表するといったことに使われることもある。
(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』)
なお、本展は2020年3月に予定しておりましたが、東京都に緊急事態宣言が発令されたために開催を延期し、COVIT-19のさまざまな制限が解除される時期まで暫く見合わせることといたしました。世界中が未曾有の事態に陥ったパンデミックを矢代は次のように振り返ります。
「予想できない事態の連続に翻弄されながら、本質的に不確かな世界に生きているのだと実感する事となりました。
例えば空から大きな石が落ちてきたとしても、我々はそれをコンスタティブ(事実確認的)に受け入れていくしかありません。
そしてこの受け入れるという行為には眼前の現象を観察すると共に、その次に行動を起こしていくという意味が含まれています。
延期という空白の時間は、展示における感覚的な部分と実証的な部分のバランスをチューニングする貴重な期間でもあったと思っております」。
奇しくも、予測できない事態から自律しながら創造的に展開していく本展のインスタレーションの主題と重なる状況となりましたが、ぜひこの機会に本展をご高覧ください。
矢代諭史
SATOSHI YASHIRO
1981年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒。2003年より自走するウーハーや自作の装置による展示や演奏を始める。ドラム(中野恵一)と動くウーハーのバンド『Motallica』や、 大城真・川口貴大と共に『夏の大△』で国内外のギャラリーやフェスティバルで演奏・展示活動を行っている。「夏の大△」(2010/梅香堂/大阪)、「Extended Senses」(2011/Gallery Loop/韓国)、「展::矢代諭史」(2015/space dike/東京)、「展示展」(2016/アートセンター土砂/札幌)、「矢代諭史展」(2017/PORT/大阪)、横浜トリエンナーレ(2008)、「The Great △」(2019/The CAVE/横浜)、TSONAMI SOUND ART FESTIVAL(2017/チリ)、Booked: Tai Kwun Contemporary’s Hong Kong Art Book Fair(2019/香港)、BlackKaji ArtScience Late (2019/ArtScience Museum/シンガポール)他。
amala
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-36-8 小倉ビルB
0422-23-5875
info@amalaworld.com
OPEN : 金土2-6PM 祝休